使わない不動産は「売る」か「貸す」か 中立的なアドバイスなら55.9%が「相談したい」

相続した実家や、この先使う予定のない土地を、手放すか貸し出すか。どちらを選ぶかで、その後の資金計画や管理の手間は大きく変わります。判断に必要な情報も多く、ひとりで結論を出すのは簡単ではありません。株式会社NEXER Groupと株式会社日住サービスによる調査では、不動産を所有している人や、相続などで取得する可能性がある人を対象に、こうした「売却か賃貸活用か」の意思決定について尋ねています。
調査はインターネットで実施され、期間は2026年10月12日~10月19日です。対象は、事前調査で「不動産を所有している・または相続などで取得する可能性がある」と回答した全国の男女で、有効回答は186サンプルでした。

「迷ったことはない」が75.3%、迷う理由は判断材料の不足
使っていない、または近いうちに使わなくなる不動産について、売却か賃貸かで迷った経験を聞いたところ、最も多かったのは「ない」の75.3%でした。以下、「少しある」が9.7%、「あまりない」が8.6%、「ある」が6.5%と続きます。「ある」と「少しある」を合わせた16.2%が迷った経験を持つ層で、2割未満にとどまりました。
迷った理由としては、「売却の仕方がわからない」(30代・男性)、「どのように活用していいのか知識がないから」(30代・女性)、「売却、貸し出しの選択の判定基準が難しい」(70代・男性)といった声が寄せられました。ほかに「相続があった」「売れるのか」「収益性があるか」という回答もあります。調査では、知識や判断材料の不足を挙げる声が目立ち、いざ直面したときに何を基準に選べばよいか分からない状態がうかがえるとしています。

売却と賃貸、それぞれに期待と不安
売却:負担がなくなる一方、税金・費用や価格への懸念も
売却について気になる点(複数選択可)では、「固定資産税などの負担がなくなる」が51.6%で最多でした。上位の回答は次のとおりです。
- 固定資産税などの負担がなくなる:51.6%
- 維持管理の手間がなくなる:46.8%
- まとまった資金が入る:46.2%
- 売却時の税金・費用がかかる:45.7%
- 売却価格が希望より安くなる可能性がある:34.4%
- 思い入れのある不動産を手放すことになる:19.4%
- 資産が手元に残らない:16.7%
- その他:4.8%
税金や維持管理からの解放が上位に並ぶ一方で、「税金・費用がかかる」「価格が安くなる」といった不安もほぼ同じ水準で選ばれており、身軽になれる期待とコストや価格への懸念が同居している様子が示されています。
賃貸活用:継続収入への期待と運用リスク
賃貸活用について気になる点(複数選択可)では、「継続して収入を得られる」が48.9%で最も多く、次いで「修繕・管理の手間や費用がかかる」が45.7%、「空室のリスクがある」が45.2%、「初期費用(リフォームなど)がかかる」が40.3%、「入居者トラブルのリスクがある」が38.7%となりました。リスクに関する項目も軒並み4割前後で並び、収益への期待と運用に伴う手間やリスクが天秤にかけられている様子がうかがえる結果です。

求められているのは「自分のケース」の具体的な数字
売却か賃貸活用かの選択について、不動産会社に中立的な立場でアドバイスしてもらえるとしたら相談したいかを尋ねると、「ぜひ相談したい」が15.6%、「やや相談したい」が40.3%で、合わせて55.9%が相談を希望しました。一方、「あまり相談したくない」は15.6%、「相談したくない」は28.5%で、合わせて44.1%でした。相談したい理由には「一人ではわからないから」(30代・男性)、「素人では売却と賃貸のどちらが有利かわからないから」(50代・女性)、「具体的なデータ(市場価格・賃料相場・諸経費)に基づいて比較・検証できる」(70代・男性)などが挙がっています。
相談する場合に期待する情報や提案(複数選択可)は、「収支シミュレーション」が47.3%で最多となり、「税金面の説明」が46.8%、「売却した場合の査定額」が41.4%と続きました。具体的な要望としては、「売却する場合、かかる費用と入るお金を両天秤にかけて、せめて赤字を出さずに手放せるかどうか」(40代・男性)、「メリット、デメリットについて、一般論ではなく、具体論で提供してほしい」(70代・男性)といった声があり、お金に関する具体的な数字への期待が高いことがうかがえます。
調査のまとめでは、売却と賃貸活用にはそれぞれ異なるメリット・デメリットがあり、判断にあたっては査定額や賃料相場、税金、諸経費など複数の情報を確認することが大切だとしています。迷ったことがない人が75.3%を占める一方で、中立的な立場のアドバイスなら相談したい人が55.9%と半数を超えたことが、今回の調査で明らかになりました。


